特集コラム
栄養価計算の困りごと3選
栄養価計算をする時に、「これってどうしたらよいのだろう」と迷うことはありませんか?
今回は栄養価計算の困りごととして質問の多い、食品の選択方法、煮物の煮汁の計算方法、揚げ物調理の油の量の計算方法、の3つについてご紹介します。
●食品成分表に掲載されている食品のうち、どれを選ぶのが正解?
栄養価計算をする際には、使用した食材を食品成分表に掲載されている食品一覧から選択する必要があります。食品によっては複数掲載されているものもあり、どの食品を選択すればよいか迷ったことはありませんか?
ここでは間違いやすい食品と、どの食品を選択すればよいかをまとめましたので参考にしてみてください。
●煮物の煮汁に使用した調味料をどう栄養価計算に反映させる?
煮物の煮汁に使った調味料の栄養価計算に迷ったことはありませんか?
例えば「肉じゃが」などの煮物で、煮汁を食材全てに吸収させるように作る場合は、実際に使用した調味料の分量をそのまま栄養価計算に反映させます。
煮汁を食材全てに吸収させることができない場合は、調理によって煮汁がどの程度残るのかを考慮します。煮汁が50%残るのであれば、実際に使用した調味料の50%の分量を栄養価計算に反映させます。
●揚げ調理の際の油をどう栄養価計算に反映させる?
揚げ物の吸油率は、使用する衣や、食材が持つ水分量によって大きく異なります。揚げ物は、食材に衣をつけずに調理する「素揚げ」や、片栗粉や小麦粉をまぶして調理する「から揚げ」、小麦粉・卵・水を混ぜて作った天ぷら衣をつけて調理する「天ぷら」、小麦粉・卵・パン粉をつけて調理する「フライ(パン粉揚げ)」、小麦粉・卵・バター・水・塩を混ぜて作ったフリッター衣やクラッカーやアーモンドなどを衣とする「変わり衣揚げ」などがあります。
衣の違いによる吸油率は以下の表の通りです。
献立作成や栄養価計算において食材に吸収された油の量を計算する場合は、「調理方法ごとの吸油率の中央値×衣をのぞいた食材の総重量(調味料等も含む)」で簡易的に計算し、栄養価計算に反映させるとよいでしょう。
参考文献
・香川明夫:「調理のためのベーシックデータ」第5版、女子栄養大学出版部(2018)