特集コラム

特定給食施設とその他の給食施設が行うべき栄養管理と衛生管理【応用編】

給食施設では、開始や変更、廃止、栄養管理状況などの届け出を管轄保健所に行う必要があります。給食施設の届け出は、健康増進法と食品衛生法で届け出の書類が異なります。また、栄養管理状況の報告は特定給食施設かどうかで大きく変わります。報告漏れがないように今回の応用編コラムでしっかりと把握しておくことが大切です。
 
「特定給食施設」と「その他の給食施設」の違いについては、前回の基礎編のコラムをご覧ください。

●健康増進法に基づく開始・再開届/変更届/休止・廃業届けについて

特定給食施設の設置者は、健康増進法に基づいて当該施設の給食の開始、届け出事項の変更及び休止、廃止する際に届け出が必要になります。それらを行った日から1か月以内に指定のフォーマットにて届け出をする必要があります。（健康増進法20条第1項・第2項）
その他の給食施設については管轄の保健所により異なるため直接お問い合わせください。

●食品衛生法に基づく営業届について

食品衛生法の改正に伴い、営業届を令和3年6月1日より管轄する保健所に提出することになりました。これは、HACCPに沿った衛生管理が義務付けられたためです。
営業届は給食を調理する施設はもちろんですが、「調理されたものを納品して盛り付けだけを行う」、「飲み物を注ぐ」などの調理行為を行う施設も届出が必要となりますので、注意しましょう。営業届は健康増進法の開始届とは異るため、営業を開始する際にはこちらの提出も必要になります。
さらに調理業務を受託事業者に委託している場合は、飲食店の営業許可の取得が必要です。それに伴い食品衛生責任者を設置する必要もあります。衛生がしっかり行われた施設での食事の提供が求められているためです。

●特定給食施設での栄養管理についての報告書

栄養管理についての報告書は栄養管理が適正に行われているかを確認するための方法の一つです。給食施設の栄養管理を適切に行う観点から、特定給食施設では、健康増進法に基づいて「栄養管理についての報告書」の提出を求められる場合がほとんどです。（健康増進法第21条、第22条、第24条第1項）
栄養管理についての報告書は指定された月（都道府県などにより異なる）の食数や栄養士、管理栄養士、調理員などの人数、施設で提供された食事の栄養価などを業態ごとのフォーマットに記入します。都道府県により報告書のフォーマットや提出方法などは異なりますので、管轄の保健所にご確認ください。
その他の給食施設では、管轄の保健所により提出の基準がことなりますので直接ご確認ください。

●まとめ

上記の書類の提出に不備があった場合は、管轄の保健所から指摘が入ります。特に栄養管理についての報告書などは、日々の献立作成、食事の提供などの結果が反映されるため、普段から給与栄養目標量をもとに献立を作る必要があります。書類作成など多くの作業がありますが、栄養価を考慮した安心安全でおいしい食事を提供するために日々努めていきたいですね。