特集コラム
給食で季節感を演出する~夏~

日本には四季があり、自然の美しさや季節の移ろいを昔から「食」を通じて感じてきました。
本コラムでは「食材」「お便り」「盛り付け」「行事」から季節感を演出する方法をご提案します。
今回は日が長くなりなんだかわくわくする季節、夏の演出についてです。
夏の食材を使って
トマトやなす、きゅうり、ゴーヤなどのカラフルな夏野菜には疲労回復や食欲増進などの作用を持つ栄養成分が含まれているといわれています。旬の野菜を給食にふんだんに使用し、暑い夏を乗り切っていきたいですね。
すいかやメロンなどの夏らしい果物も季節感の演出に欠かせません。日々の給食で使用する食材は季節を感じてもらえるきっかけになります。それに併せて掲示物やお便りなどで、季節に合わせた食材の情報提供をするのもよいでしょう。
夏のお便りづくりのポイント
夏野菜は自宅や学校で栽培しやすいものが多いのが特徴です。春の終わりころから夏野菜栽培のワンポイントアドバイスなどをお便りに掲載してみてはいかがでしょうか。
夏バテ予防として、お酢やレモン、梅などの酸味などを利用したさっぱりしたメニューや、香辛料などの胃の働きをよくしてくれるメニュー、冷たい物ばかりにならないように体を温めるメニューなどの紹介もおすすめです。
また、食中毒が増える季節となるため、食品の取り扱いや手洗いの推奨などのお便りも求められます。食育の一環として保育園や学校では、給食で使用するとうもろこしの皮をむく準備を手伝う施設もあります。
夏の盛り付けのポイント
夏の盛り付けは、涼しげな食器を利用したり緑のあしらいを使用したりするとよいでしょう。水色や青、緑などの寒色系を用いたランチョンマットや、寒色系の色のゼリーなども夏らしさを演出できます。ひまわりやハイビスカスなどのメッセージカードもおすすめです。
また、カレーは通年の定番メニューですが、ルウと一緒に煮込むのではなく、夏野菜を焼き野菜や揚げ野菜にして最後にトッピングすると彩り豊かになり、夏らしさを感じる一品となります。
夏におすすめの行事食~夏祭りメニュー~
夏の行事食として、給食で七夕や土用の丑の日を取り入れている所が多いと思いますが、最近は夏祭りメニューも増加しています。特に病院や高齢者施設ではお祭りに行けない方も多くいらっしゃるので、地域のお祭りや花火、お盆などに合わせて夏を感じるような行事食やイベントを実施しています。賑やかな雰囲気を演出し、焼きそばやたこ焼き、チョコバナナなど普段の給食ではでない屋台メニューを提供すると大変喜ばれます。ただ、栄養をとるための食事ではなく、心の栄養ともなるような演出をすると、思い出に残る時間となります。
参考文献
・農林水産省:「特集1 夏野菜(2)」
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1708/spe1_02.html(閲覧日:2025年2月24日)
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