笑顔集まるオムレター給食 自分だけの特別なオムライス|特集コラム

特集コラム
笑顔集まるオムレター給食 自分だけの特別なオムライス


幼児期では「食べる楽しさを知り、食べられる食材の種類を増やしていくこと」が大切だと考えています。メッセージ付きの自分だけのオムライスは特別感があり、そのわくわくした気持ちから自然と食欲が湧いてきます。
 
今回は、ケチャップでメッセージやイラストを描く「オムレター」を実際に保育園で提供した時の様子や、食育との関係についてご紹介します。

 

 

 
 

「何が入っている?」より「食べたい!」

 

オムレターのメッセージは子どもたちの前で描くため、いつもより早めの段取りを組みます。
この日はお誕生会。大好きなオムライスということで、子どもたちは手際よく手洗いなどを済ませ配膳テーブルに集まってきました。お誕生児には「おめでとう!」そのほかの子には、この日が「猫の日」だったことから猫のイラストでオムレターにしました。キラキラした眼差しを感じながら目の前の子のことを思い、一つひとつ書き上げて渡すと、とても満足げな表情で席に着きます。
いつもは苦手な食材が入っていないか確認する子も、それよりも早く食べたい気持ちが先行して、そんなことは気にせず食べ始めるのです。

 
 

こどもたちの食欲を引き出す周囲の声掛け

 

盛り付けは保育の先生も加わって一緒に進めます。先生方は前日から「明日はオムライスだよ」と子どもたちに伝えてくれます。
当日子どもたちは朝から「きょうはオムライスだよね」と話し、その日の活動を終えた給食前には「あ~おなかすいたぁ オムライスたのしみ~」と、次第にわくわくが募っていきます。盛り付け中の先生は「いい匂い」「わぁおいしそう!」「お手紙が書いてあるよ~」「手をかけてくれてありがとうございます」と、言葉にして伝えてくれます。そんな先生の言葉を聞いた子どもたちは、給食が気になって仕方がありません。
このような雰囲気の中で、子どもたちの食欲の扉がどんどん開いていくのを感じます。

 
 

イラストでアレンジ、小さい子には小ぶりに

 

保育園でのオムレターは私たち調理員が描きますが、文字にとらわれずイラストでも十分に興味をひくことができます。文字よりもイラストの方が描きやすく、同じ猫でも目の形を変えたり模様を変えたりして変化をつけてあげることで、自分だけのオムライスとなり特別感を楽しんでもらえました。
気を付けたことは1、2歳児さん用のオムライスです。味付けは3、4、5歳児さんの8割程度の濃さにし、大きさは6割程度に抑えました。これは、小さい子ほどお皿いっぱいに盛り付けてしまうと見た目で圧倒されてしまい、食事が進まなくなる傾向があるためです。
おかわりを普段より多めに準備し、最初の盛り付けを小ぶりにすることで、進みよく食べてくれました。

 
 

アレルギーがあっても同じわくわくを

 

卵アレルギー児へは、次の2通りの対応を行いました。
 ① 温かいチキンライスの上にスライスチーズをのせる
 ② 薄力粉、片栗粉、裏ごししたかぼちゃ、牛乳を合わせて卵シートに似せた生地を作る
見た目はオムライスとほとんど変わらないため、他の子と同じようにわくわくしてくれます。(この場合見た目が似ているため、誤配には十分な配慮が必要です。)
 
このように、オムレター給食では「自分だけの特別な食事」という満足感から食べる意欲が増します。そして楽しい食事で苦手な食材へのハードルも下がり、食べられる食材の種類が増えていくため、子どもたちの健やかな成長へとつながることでしょう。

 
 

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