特集コラム
冬のイベント食・行事食アイデアの考え方、事例を紹介
施設で生活する利用者の方にとって食事は大きな楽しみのひとつです。
季節の行事に合わせてメニューを工夫することで、食事に対する満足度も高くなります。施設での食事は使用できる食材が限られたり、予算も厳しかったりとさまざまな制約がある中で献立を考える必要があり、頭を悩ませることも多いですよね。
今回は冬のイベント食や行事食に関するアイデアを高齢者施設の例を中心にご紹介したいと思います。
●12月のイベント食・行事食アイデア
[12月のイベント]
12月22日頃:冬至(かぼちゃの煮物)、12月24~25日:クリスマス(チキン・ケーキ)、12月31日:大晦日(年越し蕎麦)
クリスマスといえばチキンですね。さすがに高齢者施設で骨つきチキンを提供するのは難しいと思います。
そんな時は、鶏肉をハーブソルトでマリネしてグリルしたチキンサラダはいかがでしょうか? レタスだけでなく、トレビスを少し加えるとクリスマスっぽくなりますよ。にんじんや大根を星形に抜いてトッピングしてみてもよいかもしれません。
ケーキはいくつか種類を用意してバイキング形式で好きなものを選んでいただくのもおすすめです。
●1月のイベント食・行事食アイデア
[1月のイベント]
1月1〜3日:正月(おせち料理、お雑煮)、1月7日:七草粥(七草粥)、1月11日:鏡開き(お汁粉)、1月15日:小正月(小豆粥)
おせち料理は1年間の中で大きなイベントの一つです。
おせち料理は品数も多く、盛り付けにも手がかかりますので、上手に加工品を利用するのも一つの方法です。
お弁当箱に詰め合わせて提供するのもよいですし、お弁当箱がない場合はおせち料理を少しずつワンプレートに盛り合わせて提供しても華やかです。
お雑煮の提供については、施設側ときちんと相談しましょう。通常の餅の提供は難しくても、嚥下に配慮した餅も販売されていますので、いろいろとサンプルをとり試してみてください。
また、かまぼこや和菓子など、その年の干支を使った食材を取り入れると特別感を出すことができます。
●2月のイベント食・行事食アイデア
[2月のイベント]
2月3日:節分(恵方巻、イワシの煮物、大豆の煮物)、2月10日※:(稲荷寿司、しもつかれ、初午団子)、2月14日:バレンタイン
※年によって日にちは異なる、2022年は2月10日
施設で恵方巻を提供する場合、海苔で巻くと噛み切れなかったり、のどにはりついてしまう危険性があるため避けた方がよいでしょう。巻物として提供したい場合は、のりの代わりに卵シートを使ったり、ごはんだけで巻いて表面に「すりごま」をまぶしたりしてみてもよいでしょう。
中に入れる具材はきゅうり、刻み穴子、桜でんぶなどがおすすめです。「かんぴょう」は長いままではなく、柔らかく煮て細かく刻んで使用すると食べやすくなります。
●まとめ
冬はクリスマスに大晦日、お正月とさまざまなイベントがあり、慌ただしく過ぎていきます。
イベントの準備に加え、年末年始の人員の確保や業者が休みになることによる発注日時の前倒しなど、やることは盛り沢山。直前にバタバタしないようにイベント食の準備は早めに進めておきましょう。
今回は高齢者施設の例を中心にご紹介しましたが、保育園や学校給食でも季節の行事に合わせたメニューを献立に組み込むと、食育の教材としてもご使用いただけると思います。
ご紹介したアイデアを参考にしていただき、ぜひみなさまの施設独自の素敵なイベント食を企画してくださいね!