特集コラム

特定給食施設とその他の給食施設の違い、管理栄養士が必置な施設について【基礎編】

●特定給食施設とその他の給食施設の違いとは？

特定給食施設かどうかは、提供する食事の数で決められています。
特定給食施設は、健康増進法第20条第1項、健康増進法施行規則第5条により、「特定かつ多数の者に対して継続的に1回100食以上又は1日250食以上の食事を提供する施設」とされています。
 
一方、その他の給食施設は、「特定給食施設以外の施設で、特定かつ多数の者に対して継続的に食事を提供する施設。特定給食施設としての食数に満たない給食施設」のことをいいます。その他の給食施設に対しての規定は都道府県により異なりますので、管轄の保健所にご確認下さい。例えば東京都の場合は1回20食以上又は1日50食以上の食事を提供する施設（東京都特定給食施設等指導要綱）としています。

●管理栄養士の配置が必要な施設とは？

特定給食施設では、全ての施設に管理栄養士の配置が必要なわけではありません。
健康増進法では、「特定給食施設であって特別な栄養管理が必要な施設として、都道府県知事が指定する施設」の設置者は、当該特定給食施設に管理栄養士を配置する必要があると定めています。
知事から管理栄養士を配置しなければならない施設として指定された場合、「管理栄養士必置指定通知書」が交付されます。
 
管理栄養士の配置が必要な施設には、一号施設と二号施設の2種類があります。
・一号施設
病院や介護老人保健施設又は介護医療院など、医学的な管理を必要とする特定給食施設で、継続的に1回300食以上又は1日750食以上の食事を提供する施設。
（補足）
・提供食数の実績が1回に300食未満及び1日750食未満の特定給食施設であっても、許可病床数又は入所定員が300床（人）以上の施設は一号施設の対象。
・病院を含む複数の施設に食事を提供する特定給食施設では、許可病床数（入所定員）の合計が300床（人）以上の場合は一号施設の対象。
 
・二号施設
管理栄養士による特別な栄養管理を必要とする特定給食施設であり、継続的に1回500食以上又は1日1500食以上の食事を提供する施設。
乳児院、児童養護施設、福祉型障害児入所施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設、救護施設および更生施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、経費老人ホーム、独立独居法人国立重度知的障害者総合施設のぞみ園が設置する施設、障碍者支援施設、事業所、寄宿舎、矯正施設、自衛隊。
上記の施設以外にも、1回500食以上又は1日1500食以上を提供する場合は、二号施設となります。
（補足）
事業所等に食事を供給する特定給食施設で、 その食事が、主に事業所等に勤務又は居住する者に喫食され、その際、勤務又は居住するものの概ね 8割以上がその食事を喫食するものであって、１回500食以上又は１日1500食以上供給する場合も二号施設に該当。
 
一号施設・二号施設以外の特定給食施設においては、栄養士、管理栄養士を置くように努めなくてはいけません。栄養士、管理栄養士を置くように努めなくてはいけない、ということは、置き換えると適切な栄養管理が求められているということ。そのことを念頭に業務にあたりたいですね。