特集コラム
【令和8年度 診療報酬改定】給食部門の管理栄養士・栄養士が押さえるべき変更点のまとめ
診療報酬改定は、管理栄養士に求められる役割や方向性を知る大切な機会です。令和8年度改定では、給食部門にも注目すべき変更がありました。
本コラムでは、給食現場で押さえておきたいポイントをまとめて解説します。
給食部門の主な改定内容について
令和8年6月1日より、令和8年度診療報酬が適用されました。診療報酬は、医療の進歩や経済状況を踏まえて2年に一度見直しが行われ、改定内容には国が医療機関に求めることが指針として示されています。
今回の給食部門の大きな改定は下記3つです。
・入院時の食費及び光熱費の基準額引き上げ
・特別食加算対象に嚥下調整食が追加
・特別料金の支払いを受けることができる食事の要件見直し
給食部門の診療報酬は大きな収入源になります。細かく要件もあるため、正しく情報を収集することが重要です。
食費及び光熱費の基準額引き上げについて
物価、米、人件費の高騰を踏まえて、1食あたり40円引き上げられました。令和6年の30円、令和7年の20円に続いて3年連続の改定です。また、入院生活療養費の光熱費は、20年間据え置かれていましたが、1日60円の引き上げとなりました。入院生活療養費は療養病床に入院されている65歳以上の方に適用され「食費」と「光熱費」から構成されています。3食提供している場合は合わせて1日180円の引き上げとなります。
特別食加算対象に嚥下調整食が追加
超高齢化社会の日本において、嚥下調整食の重要性は今後さらに増加していくことが予想されます。しかし、調理工程が多く、栄養補助食品の使用頻度が高い嚥下調整食は、作業面やコスト面が課題です。また、おいしく食べてもらうための見た目への配慮や、治療効果を上げるための栄養強化も必要となります。そんな中、嚥下調整食が特別食加算の対象となったことは、国からの大きなサポートと言えます。
嚥下調整食の加算のためには、下記4つの要件が定められています。
嚥下調整食の加算要件は容易には満たせないため、準備期間が長期化する施設も多くなると思われます。正しい知識と技術をもって食事の提供に取り組むことや、多職種で評価できる環境を整えることが求められており、患者への安全性を担保しながら栄養状態の維持および改善、機能回復、QOLの向上を期待した加算と言えるでしょう。
特別メニューの食事について
これまでは通常食と違う献立で特別メニューを用意した場合、追加標準金額は1食あたり17円と定められていました。今回の診療報酬改定では、標準食との差額を医療機関ごとに設定できるようになり、付加価値をつけた食事や患者にとって必要性の高い食事を適正な予算で提供することができるようになりました。
また、この特別メニューの食事には、行事食や宗教に配慮した食事も対象となることが明確化されました。ある調査によると、宗教に配慮した食事は全病院の6割以上で提供されているという報告もあります。 本来なら禁止食材は完全除去することが望ましいですが、禁止食対応や代替え対応をしている施設も多いのが現状です。適正な価格を設定することができれば、別献立による禁止食材の完全除去も可能となります。日本に住む外国人が増加している中、今後ますます多様な文化や背景に柔軟に対応することが病院でも求められていきます。今回の改定は、食事面において基盤作りを進めるきっかけになるかもしれません。
まとめ
診療報酬改定は国の指針を知れるとてもよい機会です。業務内容をアップデートすることは大変な面もありますが、取り組む中で新しい発見や成長もあります。時代に合わせて変化していくことで、患者へよりよいサービスや栄養管理を還元できるような体制を目指していきたいですね。
参考文献
・日本栄養士会:令和8年度診療報酬改定のポイント
https://www.dietitian.or.jp/data/medical-fee/r08/(閲覧日:2026年7月10日)
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